7つの習慣 セルフ・スタディ

第三の習慣:重要事項を優先する(最優先事項を優先する)
緊急度ではなく重要度を優先する

今回は『重要度』を優先する考え方について考えていきましょう。

緊急中毒(緊急事項を探し出し、常に緊急事項を探し出すようになること)にならないために、どういった活動にフォーカスすればよいのでしょうか。その答えは『時間管理のマトリックス』にあります。

  緊急 緊急ではない

I 領域

  • 危機や災害、事故、病気
  • 締め切り直前のタスク
  • クレームへの対応
  • 自分がファシリテートする会議のとりまとめ

II 領域

  • 人間関係作り
  • 予防行為
  • 最新再生(自分を磨くこと)
  • 準備や計画
  • 適度な息抜き





III 領域

  • 無意味な電話やメールへの対応
  • 突然の来訪
  • 多くの会議
  • 無意味な接待や付き合い
  • 多くの報告書

IV 領域

  • 暇つぶし
  • 長時間、必要以上の息抜き
  • だらだらとした電話
  • 世間話
  • その他無意味な活動

図 時間管理のマトリックス

このマトリックスは事項を『緊急度』と『重要度』で切り分け、四つの領域に切り分けています。前回ご紹介した『緊急中毒者』は第 I 領域と第 III 領域にばかりフォーカスしていたというわけです。

このマトリックスにしたがって私たちの活動を見てみると、普段の活動・行動がいかに緊急という基準で行動しているかがわかると思います。

しかし、私たちにとって、本当に重要な活動は、「緊急ではないが重要な」第 II 領域活動にあります。

少し考えればわかることですが、第 I 領域にある『締め切り直前のタスク』といった活動は、第 II 領域:『周到な準備と計画』を怠った結果であると言えます。

つまり第 II 領域へのフォーカスが第 II 領域の事項を減らすことに繋がるということができます。コヴィー博士の言葉を借りれば、「第 I 領域へ時間を割くことは避けられないが、第 II 領域へ時間を割くことによって減らすことはできる」のです。

『緊急事項』は私たちにいつ何時も向こうからやってきます。例えばオフィスに鳴り響く電話や、飛び込み営業マンへの対処、やっと仕事ができるとPCに向かったら、宅配便が届きます。入り口へ向かい、サインをしなければなりません。

しかし困ったことに大きな目標のための行動や、ボランティア活動への参加、自分を鍛えるためにジムへ通うといった『緊急ではないが重要な事項』は我々に働きかけてきません。

コヴィー博士の長年のパートナーであるハイラム・スミスのエピソードを紹介しましょう。彼は、シティバンクの社員に対し研修していたとき、彼らが「本を読む」ことを「重要事項」だと知りながら実行しないことを知り、理由を尋ねたそうです。長い沈黙のあと、ひとりが答えました。「本は私たちに『読みなさい』といってこないからです」

次の話はコヴィー博士が研修で体験した実話です。

あるショッピングセンターを研修していたときのこと、課題は満場一致で「テナントの店長たちと人間関係を築くこと」であった。この活動はお分かりの通り第 II 領域。しかし彼らは電話や会議、雑事といった第一領域と第 III 領域に振り回されていた。

そこで彼らは自己リーダーシップを発揮し、今までの4倍の時間(=勤務時間の20%)をテナントの店長・スタッフとの関係作りに時間を割くことを決意、そして1年半の歳月をかけて、実現した。

効果は劇的な、興味深いものとなった。売り上げは急増、彼らはテナントの店長たちにとって良い聞き手となり、トレーナーになり、コンサルタントになったのだ。ショッピングセンター側もテナントの売上が急増し、テナント希望者の増加に対して大きな満足を得ることが出来た。

皆さんはいかがでしょう。

II 領域に時間を割くことは出来ていますか。あなたにとっての第 II 領域活動を考えてみましょう。そしてすぐに計画し、実行しましょう。

基礎編 1 2 3 4 5 6 7 8
第一の習慣 9 10 11 12
第二の習慣 13 14 15
第三の習慣 16 17 18 19 20
第四の習慣 21 22 23 24 25 26
第五の習慣 27 28 29 30 31
第六の習慣 32 33 34
第七の習慣 35 36 37
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