今回は、『7つの習慣』の第三の習慣:最優先事項を優先するにおいて紹介されている、時間管理を紹介します。書籍『7つの習慣 成功には原則があった!』のほかにも、ハイラム・W・スミス氏の代表作であり、全世界で7,000社におよぶ優良企業が考え方を導入し、1,500万人もの人々が実践している『TQ 心の安らぎを発見する時間管理の探究』で紹介されている考え方も交えていきたいと思います。
まずあなたの普段の仕事や生活を振り返ってみてください。以下の質問に対して、どの程度当てはまるのかを5点満点で点をつけてください。全くそんなことはない:1点、たまにそうしている:2点、ときどきそうしている:3点、よくそうしている:4点、いつもそうしている:5点、というふうに点数をつけてください。
いつもあちこち走り回っている | |
プレッシャーがかかったときのパフォーマンスがもっとも良い | |
危機や緊急事態に対処するためなら、他人を失望させたりすべきことを放置したままにしても周りの人が状況を理解してくれるものと思う | |
本当にやりたいことを実現する日が、いつか来ると思っている | |
いつもあちこちを動き回っている | |
プレゼンテーションの準備や資格試験など大きな山は、昔から一夜漬けで突破する | |
危機や緊急事態を解決することで充実感を得られる | |
一日の終わりに、処理済の書類が山積みになっているのを見ると、自分は本当に生産的だと思う | |
周りの人が本当に緩慢で苛立つ | |
内省の時間、スキルアップの時間がないのは他人のせいである |
合計すると何点でしたでしょうか?
このテストはあなたの『緊急度指数チェック』です。
あなたは緊急で重要なことに直面し、それに対して緊張感を持ってすばやく対応し、問題を解決することができたとき、どのように感じますか? ストレスを感じますか? あるいは気が滅入りますか? それとも、ある種の爽快感を感じますか? 実は多くの人が、どちらかと言えば爽快な気分になるのではないでしょうか? 自分が役立つ喜び、自分が存在する価値を最も感じることができる瞬間のひとつだと感じる人もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、こうした高揚感を味わってしまうと、さらに強い刺激を求めるようになります。さらなる緊急で重要なことを求めるようになります。これが中毒症状を引き起こすのです。緊急事項をこなしたときの高揚感をもっと味わいたいがために、緊急事項を探し出し、常に緊急事項を探し出すようになるのです。
これを私たちは「緊急中毒」と呼びます。
「忙しい。忙しい」を連発しながら、さらに忙しさを求めていきます。実は常に「忙しい」と言いながら対応するほうが楽なのです。忙しいことがらは、向こうからやってくるからです。緊急性がないものは、こちらから意思と勇気を持って取り組まなければならないからです。
次に紹介する話はコヴィー博士のパートナーのひとり、ロジャー・メリル氏が体験したものです。組織の一人が緊急中毒者となってしまったが故に周りにどのような影響を与えてしまったのか、とくと考えてみましょう。
ある研修プログラムで某国際企業の上級管理職の方々に『緊急度指数チェック』をしてもらったときのこと。休憩時間にひとりの上級管理職が私に話しかけてきた。
「信じられないことに私は完全な緊急中毒者です。誰かが『緊急だ』と言わない限り事態が進展しないのです」
このように話していると、彼の後輩がうなずきながら近づいてきた。その後輩について彼はこう紹介した。
「入社したときの彼は、こんな感じではなかったのです。だけど今は彼も緊急中毒者になってしまったのです」
そして最後に彼は悟ったかのように言った。
「分かりますか。私は自分が緊急中毒であるばかりでなく、部下たちみんなを緊急中毒にしてしまったのです」
ロジャー・メリルはこのようにも言っています。
「緊急度」そのものが問題なのではない。問題なのは、「重要度」に代わって「緊急度」が生活を支配する要因になることであり、緊急なことをすることが「重要事項」になってしまうことである。
ではどのように『緊急からの誘惑』を断ち切ることができるのでしょうか。次回は『重要度』を優先する考え方について考えていきたいと思います。
基礎編 | 1 2 3 4 5 6 7 8 |
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第一の習慣 | 9 10 11 12 |
第二の習慣 | 13 14 15 |
第三の習慣 | 16 17 18 19 20 |
第四の習慣 | 21 22 23 24 25 26 |
第五の習慣 | 27 28 29 30 31 |
第六の習慣 | 32 33 34 |
第七の習慣 | 35 36 37 |
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