万有引力という法則が自然界に存在しているように、私たちの人生にも原則が存在します。人間の生活にも自然の法則があるということです。
それは地球上のどこの地域であっても、どの時代であっても不変のもの、つまり絶対的なものです。日本でも中国でもアメリカでも、地球の裏側のブラジルでも、この原則は通用します。現在はもちろんのこと、1000年前、1000年後いずれにおいても原則は通用します。宗教や思想、文化を超えた普遍的なのなのです。
原則はコンパスのようなものです。コンパスは方向を知るための道具であり、向かうべき方向を常に指し示してくれます。コンパスがしっかり機能していれば、道に迷うこともなく、道の途中で一見いかにも正しそうな道に騙されてしまうこともありません。なぜなら向かうべき方向は1つであり、しかもそれがはっきりしているからです。
原則や自然界における法則が永久不滅に存在することについて、コヴィー博士のビジネスにおけるパートナーであり、「時間管理」の第一人者でもあるハイラム・W・スミスがユニークな表現をしていますので紹介しましょう。
私たちは重力の法則を廃止しようと、投票することもできる。しかし私たちの反対票は何の効力も及ぼさない。投票者全員がビルの屋上に昇り、一斉に縁から一歩外に出ようとしたらどうなるだろうか。次の瞬間、みんな下の道路に叩きつけられる。(略)
私たちは何の手も下せない。たとえどんなに気に食わなくても、廃止することはできないのだ。ましてやそれを無視する人は愚かとしか言いようがない。
では、私たちの生きている社会、人間関係の中には、どのような原則があるでしょうか?
たとえば「正直」。
正直さを持たずに人間関係を続けていればどうなるでしょうか? 誠実に対応することなく、正直さを欠いたまま良好な関係がいつまでも続くでしょうか?
「信頼」もそうです。
信頼関係なしに、良好な人間関係を築くことはできません。歴史を見ても明らかです。さまざまな統治体制の衰退の陰には、原則を軽視する人々の存在が見えてきます。信頼や、誠実さという原則が作用した事例は数知れません。
「努力」という原則について、マーガレット・グルースというマラソン選手のエピソードを紹介しましょう。
私には15歳の頃、縁起のよい下着というのがあった。それが駄目とわかると、縁起のよいヘアスタイル、縁起のよいレース番号、さらには縁起のよいレース日と続いた。あれから15年経った今、成功の秘訣は至って単純なことに気づいた。それは努力なのだ。
人間は自然法則に逆らうことはできません。従うほかないのです。自然法則である原則も、無視することはできません。不正直や信頼を裏切れば、他人はごまかせても、自分の心は後ろめたさを感じます。ビジネスの世界でも、原則に従わないごまかしはいずれ破綻します。
その他にも私たちの社会、人間関係、人としての成長の中にはたくさんの原則が存在します。そしてそれらの原則に逆らうことはできません。
基礎編 | 1 2 3 4 5 6 7 8 |
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第一の習慣 | 9 10 11 12 |
第二の習慣 | 13 14 15 |
第三の習慣 | 16 17 18 19 20 |
第四の習慣 | 21 22 23 24 25 26 |
第五の習慣 | 27 28 29 30 31 |
第六の習慣 | 32 33 34 |
第七の習慣 | 35 36 37 |
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