フランクリン・プランナーの歴史

フランクリン・プランナーは、ハイラム・スミスが1981年に設立したフランクリン・クエスト社で生まれました。
ハイラム・スミスは、社名にも表れているように、100ドル札の肖像画になっており、アメリカ建国の父とも呼ばれているベンジャミン・フランクリンに大きな影響を受け、より高い生産性とより充実した人生を歩むためのセミナーとツールの開発を決意しました。

ハイラムが中でも強い関心を持ったのが、ベンジャミン・フランクリンの自伝の中で紹介されている、「13徳」とその実現のために使った小さな手帳でした。
ベンジャミン・フランクリンは、フィラデルフィアで印刷業を営んでいた22才の頃、「道徳的完成に到達しよう」という大胆で、崇高な計画を思いつき、「自分の人生にとって何が最も大切なのか」を考え、最終的にそれを3年間かけて13徳(価値観)にまとめあげました。
そして、小さな手帳を作り、その価値観を1ページずつ割り当て、1日1日の生活を正していったのです。

ベンジャミン・フランクリンの13の徳目
節制 沈黙 規律 決断 節約
勤勉 誠実 正義 中庸 清潔
平静 純潔 謙虚    

私たち一人ひとりはそれぞれ異なった価値観に基づいて生活しています。価値観は、「正直」「愛」「挑戦」など人の生き方や信条を含むものであり、また人格の基盤となるものです。普段私たちはこの価値観を意識することはあまりありませんが、この価値観こそが行動の基盤になるものであり、価値観に従って私たちは行動しているのです。

彼は定めた13徳を身に付けるために、毎週初めに手帳に表を作り、これらを書き写し、常に遵守を心がけました。
まずは、1週間に1つの徳を定め、それに関しては徹底的に遵守するようにしました。
そしてそれ以外の徳に関しては、できなかったら「●」を書き入れ、できるだけその印を減らすように努力を重ねました。
こうした計画と行動を繰り返すうちに、次第に印の数が減ってきたということでした。

そこでハイラム・スミスは、このベンジャミンが行ったプロセスを実行できるように、システム手帳として開発しました。
そこで生まれたのが、フランクリン・プランナーで、価値観の明確化から、日々の実行までを計画し、実現するためのシステムを作りました。
フランクリン・プランナーは、こうしたベンジャミン・フランクリンの考え方を取り入れ、いかに自分が定めた徳(価値観)を行動に移すことができるかを考えられて作られた手帳なのです。

また、手帳だけではなく、企業においても生産性を上げ、効果的な時間管理ができるように研修プログラムとしても幅広い人気を得て、フランクリン・プランナーの考え方は広がっていきました。
詳しい内容は、書籍の中で紹介しています。ハイラムの著書は『ベンジャミン・フランクリン人生を築く時間の刻み方』のちに、『TQ―心の安らぎを発見する時間管理の探究』として、世界中でベストセラーとなりました。

そして大きな転換期が訪れたのが、1997年でした。
スティーブン・R・コヴィー博士率いる「コヴィーリーダーシップセンター」と合併し、フランクリン・コヴィー社が設立されたのです。

「コヴィーリーダーシップセンター」でも、スティーブン・R・コヴィー博士の世界的なベストセラー『7つの習慣』の内容を基にしてつくられた「コヴィー手帳」が存在していました。

コヴィー手帳とは、「7つの習慣」の「第3の習慣 最優先事項を優先する」を実践するための手帳で、ミッション・ステートメントや役割を意識しながら、1週間の計画と実践をマネジメントするためのツールとして開発されました。

そして同年、ハイラム・スミスのフランクリン・プランナーは、コヴィー手帳の良さを取り入れる形で、時間管理プロセスを含めて刷新し、現在のフランクリン・プランナーとなりました。
ここに、真の第4世代時間管理ツールが誕生しました。

この新しくなった時間管理の考え方は、書籍としても、2001年に、『What Matters Most 』を発刊し、ハイラム・スミスとスティーブン・R・コヴィーの双方の提唱を見事に融合させました。
※日本では2002年に『もっとも大切なこと』(キングベアー出版)として発刊

具体的には、ハイラムが提唱していた、生産性のピラミッド(発見、計画、実行)のプロセスに、役割の明確化と役割というアプローチからの計画のプロセス「1週間の計画」を加え、4つのプロセスとして再設計しました。

さらに、「7つの習慣」で提唱されている、重要なことを実行するための「時間管理のマトリックス」(緊急度と重要度に応じて第I領域〜第IV領域の4つの領域に分け、優先事項を実施することができるよう自分の行動を分析する)は、フランクリン・プランナーを活用した時間管理メソッドにも取り入れられ、世界のビジネス・パーソンに愛用される手帳となりました。

日本独自の仕様としては、2003年より、「フランクリン・プランナー スリムノート」、2007年より、「フランクリン・プランナー オーガナイザー」として、綴じ手帳を独自開発。さらに幅広いお客様にお使いいただけるようになりました

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