2024.08.27
生産性の敵「時間泥棒」にどう対処するか 意外に多い自分が原因の時間泥棒
「時間泥棒から逃れたい」時間管理においてよく聞く言葉です。 突然の来客、様々な誘惑、トラブルやアクシデント、顧客(上司)からの急な依頼事等、枚挙にいとまがないほど、私たちは毎日のように時間泥棒に悩まされています。 実は、時間泥棒と感じることについては、自分の責任でもあることがかなりの確率であり得ます。つまり、時間泥棒の多くは自分でつくり出しているのです。このコラムでは、自分が引き起こしている時間泥棒について考えてみましょう。
「時間泥棒から逃れたい」時間管理においてよく聞く言葉です。
突然の来客、様々な誘惑、トラブルやアクシデント、顧客(上司)からの急な依頼事等、枚挙にいとまがないほど、私たちは毎日のように時間泥棒に悩まされています。
ただし、時間泥棒といっても様々な種類があります。災害や社会インフラのアクシデントなどの自分ではコントロールできないことに関しては、悩んでも何も生まれません。事前の準備は必要ですが、コントロールできないことは受け入れるしかありませんので、冷静に対処策を考えるだけです。
また、時間泥棒だと感じているのは自分だけで、周囲から見れば「ただのわがまま」に見えていることも少なくありません。
実は、時間泥棒と感じることについては、自分の責任でもあることがかなりの確率であり得ます。つまり、時間泥棒の多くは自分でつくり出しているのです。このコラムでは、自分が引き起こしている時間泥棒について考えてみましょう。
・自分だけ時間泥棒だと思っている
時間泥棒と感じることのうち、もっとも多いのがこのパターンでしょう。よく考えてみると、自分では時間泥棒だと思ったとしても、実は組織にとって、あるいは顧客にとっては必要なことで、時間泥棒どころか重要事項だったりすることがあります。思い当たる人は、お互いのニーズ、求められていることを理解していないということです。自分の役割や立場、求められている結果を今一度考えなおす必要がありそうです。
・忘れていた
どれだけ重要なことであっても、自分の頭になく、計画に入ってなければ、それは時間泥棒となってしまいます。計画時に「もれなく、ダブりなく」計画することが何より大切です。常日頃から、手帳に書く、スマホに入力することを習慣づけることも大切です。
・タスクの処理時間の見込みの甘さ
自分では1時間でできると踏んでいたことが2時間かかってしまうと、その1時間は完全に時間泥棒になってしまいます。計画の甘さはその後の時間の使い方に大きな影響を与えます。
・アウトプットのクオリティが低すぎてやり直しになる
「やり直し」や「修正」も時間泥棒の象徴的な存在です。これは明らかに自分の能力不足か、ニーズの理解不足によるものです。自分の能力を俯瞰的に判断し、不足している知識やスキルを補うタスクも必要となります。
・スキがある
些細な事を頼まれたり、雑用をお願いされたりすることの多い人は、相手に「頼みやすい」と判断されています。自分のスケジュールやタスク、目標等は積極的に開示し、些細な事が入り込むスキをつくらないことも必要です。
・ストレスによる逃避
緊急事項ばかり対応したり、トラブル対応ばかりに時間を費やしたりすると、ストレスが増大し、緊急性も重要性もないことに逃避してしまいがちです。過度な自分への追い込みはストレスを増大させ、はけ口を求めるようになってしまいます。結果、何の生産性もなく、効果もない、ただ時間を浪費することになってしまいます。まさに無駄な時間です。日ごろからストレスをためないような仕事の仕方をするようにしましょう。
・自己管理不足
急な病気や体調の悪化も思わぬ計算外の時間泥棒と言えます。暴飲暴食や運動不足など、自己管理不足による体調の悪化は、ある程度は未然に防ぐことができるでしょう。計画時に、健康管理に関するタスクを入れておくことも、時間泥棒を防ぐ手立てのひとつになります。
・定期的な報告の不足
上司や顧客からの急な依頼や指示に抗うことは難しいものです。できる限り自分の状況を理解しておいてもらうためには、定期的な報告やレポート、ミーティングなどを行っておくべきでしょう。
ほかにもあると思いますが、意外なほど、自分が原因で時間泥棒をつくっているものです。
では、そうならないためにどうするか?
一つは、「一度に一つだけのことに集中する」ことです。一度にたくさんのことに取り掛かったり、色々なことが気になり、やることを何分かおきに変えたりすると、アウトプットも不十分なものになり、気になることが多すぎて余計なストレスを抱え込むことにもなります。いわば、たくさんの時間泥棒のなかで仕事をしていることになってしまいます。
もう一つは、やはり「計画」のクオリティです。上記に挙げた時間泥棒の大半は、計画の甘さが原因となっています。計画のクオリティを上げるには、PDCAのサイクルを早く回し、継続することで上がっていきます。また、「今日、今週これをやる」とタスクに書き出しても、多くの場合、ヌケモレがあります。日頃から、思いついたときに、タスクリストやToDoリストに書き残す習慣をつけておくことも必要です。