STEP1：家族のミッション・ステートメントをつくる②
●ミッション・ステートメント作成の前準備
ミッション・ステートメントを作成する準備として、家族一人ひとりが次の質問について考えてみましょう。
- どういう家族になりたいと思いますか？
- どのような友達を家に連れてきたいと思いますか？
- 家族について恥ずかしいと思うことは何ですか？
- 家にいたいと感じるのはどういうときですか？
- 家に帰りたいと感じるのはどういうときですか？
- 両親または子どもを身近に感じるのはどういうときですか？
- 両親または子どものアドバイスに耳を傾けたいのはどういうときですか？
- 周りの人から、あなたの家族をどのように言ってほしいですか？
●誰かがアイデアをまとめる
以上の質問に対する答えを踏まえながら、家族としての憲法、あるいは家族としてのゴールなど、日ごろの選択や行動に影響を及ぼす家族のあり方について、それぞれがアイデアを出していきます。
出尽くしたと思ったところで、家族の一人が個々のアイデアを紙にまとめます。似たような内容のものがあれば一つにまとめ、まったく違う考えがあれば、それについて再び話し合い、アイデアを出し合うといいでしょう。
家族全員で話し合う一方で、それぞれが１対１で家族についてどう考えているか、これからどうなっていきたいかを話し合い、その内容を全員の家族ミーティングの席で反映させていきます。
家族のミッション・ステートメントは、そうやって何回も書き直していく過程に大きな意味があります。それぞれの思いに対する認識を互いに深め合い、家族としての思いを定着させながら、家族全員が合意するまでミッション・ステートメントを練り直していきます。
●焦らず、じっくりと
ミッション・ステートメントを書くには時間がかかります。必要なだけ家族ミーティングを開いて、全員が納得する内容に仕上がるまで、根気強く続けてください。
小さなお子さんがいる場合は、お菓子を出したり、イラストを使ったり、上手に興味を引きがら、ポスターに書き出すといいでしょう。最初の何回かは夕食を食べながら「家族の大切なものは何だろう？」とゲームのような雰囲気で始めてみるのも一つの方法かもしれません。
ミッション・ステートメントの形式や文体は自由です。下の例を参考にして、あなたの家族のミッション・ステートメントを書いてみてください。
【例1】
- 一人ひとりが家族に対してオープンになる。
- オープンになるには、自分自身に対して正直になる。
- 自分自身に対して正直になるには、感謝の気持ちを持つ。
- そうしたら、家族一人ひとりが愛情深く自由でいられる。
- 家族だけでなく、他の人たちにもオープンになれる。
- きっと周囲や世の中の人の役に立つことができる。
- そんな裏表のない家族に私たちはなろうと思う。
【例2】
- 私たち家族は個性や才能の違いを認め合い尊重する。
- 私たち家族は誰かが期待や想像と違うことをしても怒ることなく、話し合いや想像力を使って互いを理解しようと努め、完全には理解しきれなくても、受け入れ、互いに支え合う。
- それぞれが掲げた第一の目標を達成できるよう個々が全力を尽くしながら月に一度は家族全員で集まって社会に貢献できる活動を行う。
- （父は）第一に家族の生活を守る。経済的基盤を築き、維持し、成長させる。
家族に精一杯の愛情を注ぎ、母と協力し合って家族にとって最高のリーダーになる。 - （母は）第一に温かな家庭の雰囲気をつくる。いつも笑顔で、家族に明るさと安らぎを与える。
家族に精一杯の愛情を注ぎ、父と協力し合って家族にとって最大のサポーターになる。 - （桃は）第一に自立した素敵な女性を目指す。優しく、強く、賢くなりたい。そして、家族に何かがあったとき、真っ先に話してもらえる最良の聞き上手になる。
- （海は）第一にJリーグの選手を目指す。練習が大変でも家の手伝いはちゃんとやる。
誰とも喧嘩はしない。喧嘩になっても自分から謝れる最強のディフェンダーになる。
【例3】
- 自分たちの幸せに毎日感謝しよう。
- 朝、目を覚ましたら、朝日に向かって手を合わせよう。
そのとき感じたことを、イライラしたとき、気持ちが落ち着かないとき、思い出そう。 - 夕食のときには、家族全員でその話をしよう。
- 家族を信頼し、正直に、率直に、いろんな話をたくさんしよう。
- 私たち家族の幸せは、世界中の人々の幸せとつながっていることを忘れないようにしよう。
- 常に他の人を助けられる人間になろう。すべての人に優しく敬意を払って接しよう。
- 寝る前は、今日もそれができたことに感謝しよう。