前回での紹介したように、タイム・マネジメントを行う理由は、想定した、あるいは期待された「成果」(目標)を生み出すためです。
何も計画準備をしていないと、次から次へと仕事が舞い込んできて、自分や周囲(上司や顧客)が期待した成果を生み出す時間を取れなくなってしまいます。
だから私たちは「いつまでに」と期限を切り、取り組む時間を確保するわけです。
こうした目標については、目に見える目標であり、自分自身、周囲の人々にも認識されやすいので、タスクの実行においても、周囲の協力を仰ぎやすいでしょう。
難しいのは、本来自分自身で出さなければならない将来の成果です。
こうした将来の成果とは、自分自身の中にある「ミッション」や「長期的なキャリアプラン」として存在するものですが、明確になっていないとしても、営業職の人であれば、「来年の仕事を確保するために人間関係を築く、人脈を広げる」、マネジメント職の人であるならば、「大きな組織を束ねるためのマネジメントスキルを身につける、経営陣との人間関係を築く」、専門職の人であるならば、「キャリアのために自分のスキルを磨く、新しい技術、知識を身につける」などといった、普段から身につけたいと漠然と感じていながら、時間を確保しづらいことがらを確実にこなしていく必要があります。
仕事に対する意識調査でも、多くの人が抱える悩みに、「将来に対する漠然とした不安」があります。今行っていることが将来のためになっているのだろうか、いつまでこの状態が続くのだろうかと不安を感じています。
将来といっても、何十年後の将来ではなく、1年、2年といった将来に対しても同様のことが言えるでしょう。どのような業界においても、1年後のことは誰にもわからないものです。
デイリーリフィル(ウィークリーリフィル)の一番下のタスク欄を「将来に向けてのタスク」として、毎日最低1つの将来に向けたタスクを計画し、記入しましょう。
といった内容になるかもしれません。そして確実に実行しましょう。1ヶ月たてば、30個の将来へ向けたタスクが実行されたわけですから、1ヶ月前のあなたに比べて相当の成長を遂げているはずです。
現在は数値化できていない(目標として具体化できていない)将来出すべき成果についても自分なりの目標設定を行い、タスク化し、計画しましょう。
ただし、このようなタスクは、タスクを実行するうちに、状況が大きく変化するかもしれませんので、前回に紹介したような、ロジカルタスクな設定は必要ないでしょう。
何よりも実際に行動することが重要なのです。