第24回:
同時並行のプロジェクトをマネジメントする

ビジネス・パーソンとして優秀であればあるほど、常に成果を出し続けている人であればあるほど、複数の仕事やプロジェクトを抱え、めまぐるしい毎日を送られているはずです。

朝からAプロジェクトのチーム・ミーティングとBプロジェクトでのクライアントとの現場見学、午後からは別の案件での生産部門への指示の作成、見積もりの作成、今月の予算管理などなど、まさにマルチタスクのビジネス・マネジメントとも言うべき状態です。

標準的なタスク管理の手法で対応した場合は、たとえば1日の中で、すべて異なる5つのプロジェクトのチーム・ミーティング、一人でのプランニング、クライアントとの調整、トラブル解消のための指示、上司との予算折衝といったタスクが一斉に発生し、よほどしっかりと時間管理をしないと、完璧にこなすことはできないでしょう。

短期的な視点のみで仕事のタスクを管理していると、ルーティンワークや単独プロジェクトの場合であれば問題は少ないですが、複数のプロジェクトを管理する場合、スケジュールのダブりや締切りの忘れ、管理項目の抜けなど、取り返しのつかないことになりかねません。

複数のプロジェクト・マネジメントのポイントのひとつとして、プロジェクトと日時の双方が管理できるマトリックス型のマネジメントがあります。

縦軸にプロジェクト、横軸にスケジュールとして、該当する欄に、タスク名を記入する形になるでしょう。

スケジュールのスパンは、自分のビジネスのスパンにあわせて設定し、どの時期にどのようなタスクが必要になるのかを書き込み計画を立てます。

プロジェクトによっては、毎日のようにタスクが変化する場合がありますので、毎日、このマトリックスに立ち返り、全体像を把握するようにしましょう。

フランクリン・プランナーで言えば、「プロジェクト・タスク・カレンダー」ですが、日々管理するには、さらに細かいタスクを書き出し管理する必要があります。

まず、1週間の計画をたてる際に、この「プロジェクト・タスク・カレンダー」を確認しながら、重要なタスク(ミーティングやプレゼンテーション、およびそれらの準備時間)の時間をブロックします。月間カレンダーや週間カレンダーで時間の確保をします。所要時間は、アクシデントなどのリスクの高さを考慮しながらプランニングすることになります。

そして毎日のタスクプランニングの際には、全体のプロジェクト・タスクと今週の動きを参照しながら、モレ・ムダのないタスクリストを完成させることになります。

また、できる人には次々と新しいプロジェクトが舞い込んできます。どの部分を引き受け、引き受けないかは、このマトリックスを共有しながら決めるとスムーズでしょう。