せっかくフランクリン・プランナーを使って、タスク・マネジメントやスケジュール管理を行なっても、そのタスクやスケジュールが緊急事項ばかりだったとすると、それは単なる「備忘録」、つまり「やらなければならないリスト」にすぎません。
フランクリン・プランナーの最大の特長のひとつは、「緊急事項」だけではなく、「重要事項」を計画・実行できる点にあります。
今回は、「7つの習慣」の「第三の習慣」で詳しく紹介されている「時間管理のマトリックス」で言うところの「第 II 領域活動(緊急ではないが重要な活動)」を具体的に計画するための方法を考えていきましょう。
私たちがビジネスを行うにあたって、重要なことはたくさんあります。重要なお客様との人間関係をつくること、社内スタッフと十分意識共有を行うこと、自分自身のスキル・能力を強化すること、など、さまざまな重要事項が存在します。
「7つの習慣」では、第 II 領域活動のことを、「準備・計画」の領域と呼んでいます。将来、問題が起こるのを防いだり、将来成功するために計画し、準備したりする活動のことです。
日々、今週、今月の売上や利益、やらなければならない業務が山積しているなかでは、長期的な視点でタスクやスケジュールを計画し、管理していくことは簡単ではありません。
しかし、突然、今月の売上不足を上司から指摘され、「もっと準備をしておけばよかった」と悔やむことは、誰もが経験することでしょう。
今回は、目標設定用紙を使った、第 II 領域活動の計画を行なってみましょう。
まず、約半年後あたり(ビジネスの業務プロセスが短い場合は2~3ヶ月でもかまいません)に必要な状態、現在のままでは足りない部分を考え、目標として設定します。
あなたが営業で、顧客数に問題があるのであれば、「新規開拓3社」「新規提案10社」などとなるかもしれませんし、すでに見えている案件があるのであれば、具体的に、「D社との取引獲得」という目標になるかもしれません。
目標設定用紙の目標欄に、できるだけ具体的に記入します。
そして、その目標を達成するための、いくつかのステップを計画しますが、通常はその目標を達成するために中間目標や中間ステップを記入していくのですが、この内容が抽象的だったり不明瞭だったりすると、行動には結びつきにくくなります。
そこで、第一の中間ステップを決めたら(ここでは、「具体的な提案内容を決定する」)、その中間ステップを達成するためのこの1週間の行動タスクを書き出します。(ここでは、・山田部長に正式にアポイントをとる・自社の紹介ポイントをまとめる・木村課長に、事前の提案内容をお伝えする)
ここに書いたタスクは、すぐにデイリー・ページのタスク欄(あるいは一週間コンパス)に記入します。そして1週間後は、進捗を確認し、またこの「目標」用紙に戻って再計画をします。もちろん、こうした目標はひとつだけではありませんから、複数の案件、プロジェクトなどごとにひとつずつ計画していくことになります。
この1週間の第 II 領域活動計画を行うことをぜひ習慣化してみてください。