「7つの習慣」で紹介されている「時間管理のマトリックス」は、私たちが緊急性ではなく、重要性を基軸にした行動計画をたてるときに、とても有効なモデルです。
緊急 | 緊急ではない | |
---|---|---|
重 要 |
第 I 領域
|
第 II 領域
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重 要 で は な い |
第 III 領域
|
第 IV 領域
|
多忙なビジネス・パーソンは、常に緊急事項に追いかけられています。緊急性がないものは計画すらされないことが多いでしょう。
最も重要でありながら、目的意識無しには実践できない、緊急ではないが重要なこと(第 II 領域)の活動を、日々効果的に行うためのツールがフランクリン・プランナーです。プランナー完璧活用術の第4回は、第 II 領域の活動を日々の計画に落とし込む方法をご紹介します。
「時間管理のマトリックス」は、行動や出来事を重要度と緊急度の2つの軸で分類するものです。これによって自分の行動を見直し、本来やるべきである第 II 領域(緊急ではないが重要なこと)に注力することを目的としています。
第 II 領域の活動とは、どのようなものでしょうか。コヴィー博士が「第三の習慣 重要事項を優先する」で問いかける重要な質問があります。それは「あなたの仕事の業績または結果を著しく向上させるものがあるとすれば、それは何か」というものです。フランクリン・コヴィー社では、研修やセミナーを通じて様々な人にこの質問をしてきました。皆さんから出てきた答えはおおむね次の7つになります。
いかがでしょうか。これらの答えがすべて「時間管理のマトリックス」の第 II 領域に入る事柄です。誰もが、必要であり、しなければならないと考えているにもかかわらず、緊急性がないという理由で後回しになりがちなことかもしれません。
第 II 領域の活動は、向こうから働きかけてくれないため、自分自身が実行の意志を強く持ち、計画し、実行しなければ成し遂げられないという難しさがあります。
これを克服するには、第 II 領域の活動を自分自身に積極的に働きかけることと、第 I・第 III・第 IV 領域の活動を減らす努力が欠かせません。そこで、時間管理のマトリックスを毎週作成して、行動の振り返りをしてみましょう。一週間の終わりに、その週に行ったタスクをマトリックスに分類します。そうすると、どの程度第 II 領域に時間を費やせていて、いかに第 I 、第 III の領域にあたる活動が多いことに気が付くでしょう。
そうすることで、どのような活動を減らして、第 II 領域にその分の時間とエネルギーを費やせるか分析できるようになり、改善できたことと、なかなか改善できないことがわかるようになります。
次に、第 I 、第 III の領域の活動にどのような共通点があるかみてください。「納期が間際になって初めて手を付けた」「確認しなかったためにトラブルになった」「ミスコミュニケーションが起こっている」などといった共通点がみつかるかもしれません。
その結果をもとに、来週の計画をたててみましょう。間違いなく、第 I 、第 III の領域の活動は減るでしょうから、第 II 領域のことがらが計画しやすくなります。