第9回:
重要度をどう決めるか

第4回でもご紹介しましたように、「7つの習慣」では、「時間管理のマトリックス」を使って、いかに「緊急ではないが重要な活動」を行うことが重要であるかを説いています。
そして私たちの調査結果でも、「スケジュールややるべきことの計画の際には、重要度で決める」という人が多くいらっしゃいます。実際にお話を聞いても、「自分は重要なことに取り組んでいる」と言います。

しかし、別の意見では、他人の行動に対しては「重要ではない行動」と考えている人も多く、特に上司部下の関係では多く存在するようです。

ではどのようにして、自分にとっても周囲にとっても重要なことを選び、計画すればいいのでしょうか。
第4回では、次のことをポイントとして紹介しました。

  1. 人とのコミュニケーションを上達させること
  2. 準備を怠らないこと
  3. きちんと計画を立てること
  4. 健康に気をつけること
  5. 新しいチャンスを掴むこと
  6. 自己啓発に励むこと
  7. エンパワーメントを行うこと

しかし、これらも度が過ぎた準備、人間関係を無視した自己啓発や信頼関係ないままのエンパワーメントなどを行なってしまったら、第Ⅰ領域(緊急かつ重要)の活動は減るどころかむしろ増えてしまいます。

ここでポイントとなるのが、「Win-Win」の考え方です。フランクリン・プランナーには、「一週間コンパス」という、自分が担う役割ごとに目標を考え、重要なこととして計画するというプロセスがあります。
役割には必ず対象者がいますから、その対象者に対して何をすれば「Win-Win」になるのかを考えます。「Win-Lose」でも「Lose-Win」でもなく「Win-Win」です。
役割から考えて計画すると、貢献しようという思いが強すぎて、人間関係を考えるあまり、どうしても「Lose-Win」になりがちですし、仕事においては当然「Win-Lose」で考えがちです。
「Win-Win」の活動といっても、すぐには思いつかないでしょう。それは普段から相手のニーズを深く捉えてないからですし、自分自身の長期的なWinについても、実は本当の意味で理解している人は少ないでしょう。

単純にプレゼントをあげるときでさえ、多いに悩んでしまうことも少なくありません。
一週間コンパスで計画する際に、対象者を記入したら、その対象者のWin、自分自身のWinを合わせて記入するようにしてください。

そうすれば、あなたのタスクは、本当の意味での「第Ⅱ領域」の活動となるでしょう。